2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『支配の社会学Ⅰ』41【家父長制的支配と家産制的支配(p.143-)の続き】

5 家産制的支配者の権力的地位、家産制的軍隊と家産制外的軍隊、 伝統的・正当的なヘル権力にもとづく家産制的支配者の政治的支 配権(p.166-) 君主が家産制外的な−したがって政治的な−被支配者からいかなる 給付を要求しうるかということ ――彼の地位のも…

]『支配の社会学Ⅰ』40【家父長制的支配と家産制的支配(p.143-)の続き】

家に従属しない者に対する特別な政治的「軍事高権」 ――古い時代においては、掠奪行のための、あるいは掠奪行に対して 防衛するための一時的な結合の形 ―特にそのために1人の指導者が選ばれあるいは立上り、彼の権 力に服属するという形がとられる。 政治的家…

『支配の社会学Ⅰ』39【家父長制的支配と家産制的支配(p.143-)の続き】

家産制的支配関係 ――政治的構成体の基礎として、非常に重要な意義をもっていた。 君主の政治的勢力範囲 ――直接に君主の直轄領とはみなされておらず・彼によって単に政治的に 支配されているにすぎない他の地域をも含んでいる。 家産国家的構成体 ――君主がそ…

]『支配の社会学Ⅰ』38【家父長制的支配と家産制的支配(p.143-)の続き】

ヘルはこの伝統的秩序を工場における近代的就業規則のごとき仕方で、 荘園規則や家人規則の形式に変えようという誘因を感ずる。 これらの荘園規則や家人規則(合理的なものとの違い) ――古来既存の状態を問い〔これを成文化した〕ものであるという事実 から…

]『支配の社会学Ⅰ』37【家父長制的支配と家産制的支配(p.143-)の続き】

服従者 ――ヘルを援助する義務を負っている。 ―義務 ―特別の場合には、経済的に無制限 ―戦争やフェーデの場合には、人的に無制限 ―奴隷達は古代オリエントにおいては、ヘルの所有物であることを示す印を 押印されていた。 ―隷属民は法的にはヘルの必要と裁量…

『支配の社会学Ⅰ』36【家父長制的支配と家産制的支配(p.143-)の続き】

3 家産制的支配(p.154-) オイコスの発展のこの最も単純な形式 ――広大な所領において、非自由人が自己の住居と自己の家族とを もって分与地を与えられて別居させられる、家畜(peculium〔 特有財産〕の語はここに由来する)と農具とを与えられるとき、 こ…

]『支配の社会学Ⅰ』35【家父長制的支配と家産制的支配(p.143-)の続き】

2 名望家支配と純粋家父長制(p.149-) 家父長制的支配は、伝統の神聖性にもとづく唯一の権威ではない。 ――名望家支配がある。 名望家支配 ――一定範囲のひとびとの間における社会的名誉(「威信」Prestige)が、 権威的命令権力を伴う支配的地位の基礎をあ…

『支配の社会学Ⅰ』34【家父長制的支配と家産制的支配(p.143-)の続き】

状況 ――すべて家に従属する人々にとって、特別に緊密な・人格的な・継続的な・ 家の中での共同生活が、内外両面にわたる運命の共同を伴って営まれる、 という事実 父の権力と子のピエテート ――現実の血縁関係にもとづいているわけではない。 ――妻としてであ…

]『支配の社会学Ⅰ』33【家父長制的支配と家産制的支配(p.143-)】

第四節 家父長制的支配と家産制的支配 1 家父長制的支配の本質と成立(p.143-) 官僚制以前の構造原理の中で重要なもの ――支配の家父長制的構造 ―厳格に人格的なピエテート関係にもとづくもの。 家長の個人的・権威的地位 ――その存立が安定的であり、「日常…

『支配の社会学Ⅰ』32【官僚制化の諸前提と諸随伴現象(p.73-)の続き】

官僚制 ――官僚に対する「上司」の恣意的な処置を排除することによって、「官職保持権」 を発展させ、官僚のために彼の地位・規則正しい昇進・老後の生活を保障しよう とする。 ―支配の極小化を求める・被支配者の「民主的な」気分によって支持される。 ―被支…

卒業式へGO!!

他大学の卒業式へGO!!華やか、賑やか〜。ま〜自分はまだ卒業はしないわけですけれどもね。

]『支配の社会学Ⅰ』31【官僚制化の諸前提と諸随伴現象(p.73-)の続き】

近代の完全官僚制化 ――合理的・専門的な試験制度の不断の発展をもたらした。 ―専門訓練・専門試験はアメリカに導入され、ドイツからして、 その他のあらゆる諸国にも進出してゆく。 ―資本主義の官僚制化と専門的訓練を経た技術者や事務員に対す る資本主義的…

『支配の社会学Ⅰ』30【官僚制化の諸前提と諸随伴現象(p.73-)の続き】

8 教養と教育との「合理化」 合理主義なる概念 ――合理的な「没主観的」への発展、「職業人」や「専門人」への発展は、 この発展に伴う極めて多岐に渡るあらゆる諸影響を含めて、すべての支 配が官僚制化されることによって極めて強く促進されるもの この過程…

『支配の社会学Ⅰ』29【官僚制化の諸前提と諸随伴現象(p.73-)の続き】

われわれの団体と合議的統制機関 合議的統制機関 ――今日の私経済的・官僚制的組織(株式会社)にみられるもの ――社会学的には区別されなくてはならない。 ―決定権をもっているような経済上の重要利害関係者、特に企業への融 資銀行そのものを糾合している、…

]『支配の社会学Ⅰ』28【官僚制化の諸前提と諸随伴現象(p.73-)の続き】

7 合理的・官僚制的支配構造の発展段階 「ヘル」の思案の的 ――特殊化された専門知識が、ますますもって官職保有者の権勢の基礎 となってゆくため、専門知識を利用しつつ、専門知識に自分の地位 を危うくされることなく、自己のヘルの地位を保つこと ―行政任…

『支配の社会学Ⅰ』27【官僚制化の諸前提と諸随伴現象(p.73-)の続き】

6 官僚制の勢力 完全に発展した官僚制の勢力 ――常に極めて大きいものであり、通常の事情の下においては卓絶したのも ―ヘルは、行政の運営を担当している訓練された官吏に対しては、丁度 「ディレッタント」が「専門家」に対するごとき地位にある。すべての官…

]『支配の社会学Ⅰ』26【官僚制化の諸前提と諸随伴現象(p.73-)の続き】

5 官僚制化の経済的・社会的結果 社会団体、とりわけ政治団体の官僚制的組織 ―広汎な経済的結果をもたらしうる。 ――偽装された金権政治的な勢力分配が成立したことが多い。 ―政治団体、特に国家」の内部における官僚制化と社会的水準化とは、 これを阻む地方…

小野紀明「自由主義の政治哲学における人間と市民(2)」

小野紀明「自由主義の政治哲学における人間と市民‐バンジャマン・コンスタンを中心にして‐(2)」『神戸法学雑誌』(1978)第28巻第4号pp.507-570 読みました。カント、ルソー、ミルなどをみながらコンスタンの個人像を見ていく。人間相互の内的コミュニケ…

小野紀明「自由主義の政治哲学における人間と市民」

小野紀明「自由主義の政治哲学における人間と市民‐バンジャマン・コンスタンを中心にして‐」『神戸法学雑誌』(1978)第28巻第3号pp.323-368 読みました。デカルトの生得観念に対する経験主義の系譜、変化。ロック、ヒューム、スミスを経て功利主義へ。個人…

『支配の社会学Ⅰ』25【官僚制化の諸前提と諸随伴現象(p.73-)の続き】

4 官僚制的組織の永続的性格 ひとたび完全に実現されると、官僚制は最もうちこわしがたい社会組織の1つになる。 官僚制化 ――「共同社会行為」を合理的に組織された「利益社会行為」に移転させるための特 殊的手段。 →官僚制化は官僚制的装置を統轄するものに…

]『支配の社会学Ⅰ』24【官僚制化の諸前提と諸随伴現象(p.73-)の続き】

「民主化的」発展 ――何らかの経済的諸条件が共に働いている。 ―経済的原因から新たな階級が生まれ、それが1つの政治勢力の援助を 借り、あるいはまた1つの政治勢力を新たに呼び起こしまたは復活さ せて、この勢力の助けを借りて経済的または社会的利益を獲得…

『支配の社会学Ⅰ』23【官僚制化の諸前提と諸随伴現象(p.73-)の続き】

6 社会的差別の水準化 官僚制的組織の支配権獲得 ――行政機能の担当の点に関して経済的・社会的差別が持っていた意義が、 少なくとも相対的に水準化されたことにもとづく。 官僚制 ――近代的大衆民主制の不可避な随伴現象 ←支配権行使が抽象的な規則にしたがう…

『支配の社会学Ⅰ』22【官僚制化の諸前提と諸随伴現象(p.73-)の続き】

軍隊の官僚制化 ――従来、有産者の名誉的特権を形成していた軍務勤務が 無産者に移されるという過程と相平行して行なわれた。 戦争経営の官僚制化 ――私的資本主義的形態をとることもある。 ――私的資本主義的な軍隊調達と軍隊管理 →特に西洋の傭兵軍においては…

]『支配の社会学Ⅰ』21【官僚制化の諸前提と諸随伴現象(p.73-)の続き】

5 行政手段の集中 官僚制的構造=ヘルの手中への物的経営手段の集中と相携えて発展 ――私的資本主義的大経営の発展に典型的な様態 →資本主義的大経営の特徴=物的経営手段の集中 しかし、公的な共同体においても事態は同様 軍隊的特徴 官僚制的軍隊(Ex:官僚…

『支配の社会学Ⅰ』20【官僚制化の諸前提と諸随伴現象(p.73-)の続き】

「没主観性」と「専門性」とは一般的・抽象的規範の支配と必ずしも 同じことではない。 ――正に本来の行政活動の領域においては、すなわち法創造〔立法〕 および法発見〔裁判〕の領域に属さない一切の国家的活動につい ては、個性的なるものの自由と支配とが…

小野紀明「バンジャマン・コンスタンにおける『自由』の構造(2)」

小野紀明「バンジャマン・コンスタンにおける『自由』の構造(2)」『法学論叢』(1975)第98巻2号、pp.73-100 読みました。ルソー、バーク、トクヴィルなどとコンスタンを比較しながらいかに権力を圧政的権力にしないかを考察。

熊野純彦『西洋哲学史‐古代から中世へ‐』2006、岩波新書

西洋哲学史―古代から中世へ (岩波新書)作者: 熊野純彦出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2006/04/20メディア: 新書購入: 6人 クリック: 42回この商品を含むブログ (98件) を見る 【目次】 哲学の始原へ ハルモニアへ 存在の思考へ 四大と原子論 知者と愛知者…

小野紀明「バンジャマン・コンスタンにおける『自由』の構造(1)」

小野紀明「バンジャマン・コンスタンにおける『自由』の構造(1)」 『法学論叢』(1975)第97巻6号、pp.32-55 読みました。主に近代政治思想史。外面的自由と内面的自由の区別、古代と近代の区別など

『支配の社会学Ⅰ』19【官僚制化の諸前提と諸随伴現象(p.73-)の続き】

法と裁判形式 厳密に形式的な法概念にもとずく「合理的」な法発見に対立して、神聖化 された伝統によって拘束されるところの法発見がある。 ――後者には2種類ある。 (1)具体的な、倫理的またはその他の実践的価値判断にしたがって、非形 式的に解決する方法…

『支配の社会学Ⅰ』18【官僚制化の諸前提と諸随伴現象(p.73-)の続き】

「計算可能な規則」――という第二の要素が支配的な重要性をもっている。 ――近代文化(技術的・経済的下部構造)の特質は、この「計算可能性」 を要求 ――官僚制は「怒りも興奮もなく」という原理の支配下にもある。 →官僚制が「非人間化」されればされるほど、…