]『支配の社会学Ⅰ』31【官僚制化の諸前提と諸随伴現象(p.73-)の続き】


近代の完全官僚制化
――合理的・専門的な試験制度の不断の発展をもたらした。
  ―専門訓練・専門試験はアメリカに導入され、ドイツからして、
その他のあらゆる諸国にも進出してゆく。
  ―資本主義の官僚制化と専門的訓練を経た技術者や事務員に対す
る資本主義的需要とは、それを全世界に広めている。


合理的・専門的な試験制度の発展
――専門試験によって獲得される教育免状のもつ社会的威信によって、
強力に助長される。
  ―教育免状の社会的威信自体が更に経済的利益に転化される。
  ―あらゆる領域における教育免状創出の要求
   ―役所や事務所における特権層の形成を助長
免状を持っていること
 ―名望家との通婚要求を基礎づけ
 ―「名誉法典」の階層への加入の要求
 ―仕事量に応じた報酬ではなく「身分相応の」支払いを求める。
 ―確実な昇進と老後の保証とを求める要求、とりわけ社会的・経済的に
有利な地位を免状をもっている候補者だけで独占せんとする要求を支
持してくれる。
 整然たる教育課程と専門試験の導入を求める声の高まり
 ―教育免状の所持者のために地位の供給を制限し、これらの地位を彼ら
だけで独占しようとする努力がその原因
 教育免状の獲得に必要な教育課程
 ―多大の費用と長期の無収入期間を伴う。
  →財産のために才能(「カリスマ」)を押しのける。
   …けだし、教育免状の「精神的」出費は常に僅少なものであり、し
かも免状交付の大量化につれて、増加することはなく、むしろ減
少するものだから。