]『支配の社会学Ⅰ』35【家父長制的支配と家産制的支配(p.143-)の続き】


2 名望家支配と純粋家父長制(p.149-)


家父長制的支配は、伝統の神聖性にもとづく唯一の権威ではない。
――名望家支配がある。
名望家支配
――一定範囲のひとびとの間における社会的名誉(「威信」Prestige)が、
権威的命令権力を伴う支配的地位の基礎をあるような場合、いたるとこ
ろに成立する。


名望家支配を家父長制的支配から区別するもの
――人格的な特殊のピエテート関係が名望家支配にあっては存在しない。
  ―名望家の特殊の権威…「名誉」にもとづいている。


家支配権
――完全に純粋な形で現れるときは、少なくとも法的には無制限であり、
従来の家長が死亡し、またはその他の事情で引退するときは、新しい
家長に同じく無制限に移行する。
家共同体の原生的な共産制

性的領域においても経済的領域においても、ますます大きな制限を受ける
に至ったこと、「内に向かっての閉鎖性」がますます強くなったこと、家
の資本主義的営利共同体かた合理的な「経営」が分離し、「計算」と明確
な持分との原則がますます勢力を占めてきたこと、妻・子・奴隷が人格的
・財産法的に固有の権利を獲得するに至った(pp.150-151)

――完璧な家権力に対する制限を意味するものである。
家の営利経済から生れ・これから分離するに至った資本主義的形式「経営」
の発展と対極をなすもの
――家の内部的分化の共同経済形式、すなわち「オイコス