『支配の社会学Ⅰ』30【官僚制化の諸前提と諸随伴現象(p.73-)の続き】

8 教養と教育との「合理化」


合理主義なる概念
――合理的な「没主観的」への発展、「職業人」や「専門人」への発展は、
  この発展に伴う極めて多岐に渡るあらゆる諸影響を含めて、すべての支
  配が官僚制化されることによって極めて強く促進されるもの
この過程の1つの重要な構成要素(教育および教養の質に及ぼす影響)
――西洋大陸の教育施設(特に高等教育施設)
  ―近代的官僚主義にとってますます不可欠のものとなりつつある専門試
   験制度を培うような性質の「教養」−すなわち専門的訓練−を求める
   要求の、圧倒的な影響下におかれる。


現代的意味における「専門試験」
――官僚制化に伴う不可欠の付随現象でもない。
――「民主制」は官僚制化と同じく、専門試験に対しても分裂的な態度をと
  る。
  ―民主制はあらゆる社会層から適合者を「選抜」することを意味してい
   るように見える。
  ―試験や教育免除によって特権的な「カスト」が成立することに対して
   闘争している。
  ―専門試験は官僚制以前的なあるいは半官僚制的な時代にも見出せる。
   …専門試験の歴史的発生地はプレベンデ的に組織された支配