小野紀明「自由主義の政治哲学における人間と市民」
小野紀明「自由主義の政治哲学における人間と市民‐バンジャマン・コンスタンを中心にして‐」
『神戸法学雑誌』(1978)第28巻第3号pp.323-368
読みました。
デカルトの生得観念に対する経験主義の系譜、変化。
ロック、ヒューム、スミスを経て功利主義へ。
個人をどのように捉えているのか、空間を築くためにはそれを構成する個人の理解が重要。
自由主義は”自然”観念をなくしてきたがそのために個人の内面には、他者の侵入を許さ
ない神聖不可侵な領域は一片たりとも残されてはいない。同時に、政治を監視するべき市
民社会はその自律性を失って、全面的に国家へと吸収されてしまう。
ここに、自由主義は自らの内部から崩壊する危機に直面することになった。