]『支配の社会学Ⅰ』26【官僚制化の諸前提と諸随伴現象(p.73-)の続き】

5 官僚制化の経済的・社会的結果



社会団体、とりわけ政治団体の官僚制的組織
―広汎な経済的結果をもたらしうる。
――偽装された金権政治的な勢力分配が成立したことが多い。
  ―政治団体、特に国家」の内部における官僚制化と社会的水準化とは、
これを阻む地方的・封建的諸特権の打破と相まって、近世においては
、しばしば資本主義の利益に帰し、またしばしば資本主義と同盟して
遂行された。
他方
――官僚制化は安定した伝統的な「生業」を確保せんとする小市民的関心に
こたえ、また私的な利得チャンスを制限する国家社会主義的作用をも営
んだ。
⇒官僚制的組織が存在するという事実だけでは、この経済的作用が具体的に
いかなる方向に向かうかということについては、まだ何も明確なことは云
えない。


官僚制化は、個々の場合にそれが占めようとする分野において官僚制化に対
する阻止的権力を水準化しようとするだけなのである。

大いに注意しなければならないことは「民主制」そのものは不可避的に官僚
制化を促進するにもかかわらず、官僚制化の促進を望んでいるわけではない
ために、それ自体、官僚制の「支配」の敵対物であり、したがって、場合に
よっては、官僚制的組織の極めて顕著な破壊や障害をもたらしうるというこ
とである。(p.120-)