]『支配の社会学Ⅰ』24【官僚制化の諸前提と諸随伴現象(p.73-)の続き】
「民主化的」発展
――何らかの経済的諸条件が共に働いている。
―経済的原因から新たな階級が生まれ、それが1つの政治勢力の援助を
借り、あるいはまた1つの政治勢力を新たに呼び起こしまたは復活さ
せて、この勢力の助けを借りて経済的または社会的利益を獲得しよ
うとする。
他方
「上から」発せられた純政治的性質のものであるイニシアティーヴ
――政治的・とりわけ外政的情勢からその利益を引き出し、所与の経済的・
社会的対立や階級的利害関係を専ら自己の勢力獲得の手段として利用し
、またこの目的のために、右の対立や利害の‐ほとんど常に不安定な‐
均衡状態を破り、潜在的な利害の対立を闘争にまで駆り立てる。
経済的契機が一緒に働く程度と仕方は様々、政治的勢力関係も同様
古代ギリシャ・アテナイ
――重装歩兵による戦闘への移行・海軍の重要性の増大
→軍事的負担を担った国民層が政治権力を掌握したことの基礎
ローマ
――同様の発展
→名望家支配を単に一時的にかつ外観的に動揺させるに留まる。
近代の大衆軍隊
――名望家勢力を打破する手段
…しかし、それ自体は能動的民主化のコウカン(梃子)ではなく、
単なる受動的民主化のコウカンとしてとどまった。
官僚制的構造の進出が、その「技術的」優秀性にもとづいていたという事
情が導く結果
――古い構造形態が現在の諸要求にそれ自体技術的に特に高度に適合した
形で、機能していたようなところにおいて、官僚制的構造の進出は正
に最も緩慢に行なわれる。
Ex:イギリスの名望家行政