David Owen 97


【断固たる二元論的哲学を導入して純粋理性のアンチノミーの解消を
はかるカントの一貫性の有無に関係する問題】23-
カントの理性=<利害関心の体系>
――基本的特徴:それ自身の『本質的な目的』あるいは内在的課題を
追求する目的論的活動
  →利害関心の第一のもの:理性の体系化的利害関心…ほかのあら
ゆる利害関心の統一を実現しようとす
る利害関心
              …この実現は一つの歴史を持つ。

『理性は有限…その限定された潜勢力とその現実的表現の間の溝に…悩
まされる。…理性はこの溝を…埋めていくという問題に直面する。理性
はそれが原理的に達成しうる…範疇を、はじめから所有しているわけで
はない。が、それは自己解明の全身運動によって必ず実現されなければ
ならない。…人間理性は一つの歴史に服す、…それ自身になっていくこ
とになる。』
   →難点がある。