『支配の社会学Ⅰ』58【家父長制的支配と家産制的支配(p.143-)の続き】

ヘル
――確かにプリュンデを授与した。
  しかし
――終身的に授与したわけではなかったので、何らかの形でいつまでもこの
官職譲渡の利益にあずかろうと願い、彼のほうでも官職譲渡について原
則を定めようとした。
  ―官職取引−役得チャンスを資本家すること−は非常の場合の需要をま
かなう最も重要な財政操作であった。
   ―官職は1つの財産対象となっていった。
   ―官吏の役得チャンスが増加した結果プッリュンデの売買価格は高く
なり、これはまた賃借人や国王の利益を増加した。
⇒官職の専有の結果
 ―当該官吏は罷免不能になった。
  ∵官吏を罷免するためには、プッリュンデの買入れ代金を彼に払戻さね
ばならず、国王は容易にその決心をしえなかったから
 ―専有されたプッリュンデはフランスで極めて重要な役割を果たした「法
服貴族」−国王や土地貴族ないし宮廷貴族に対抗する、「第三身分」の
指導者グループの1つたる身分集団−の最も重要な基礎であった。