David Owen 90
【啓蒙の必要条件と実際的諸条件の関係】14-
カントの問い:「現在は啓蒙された時代か?」
カントの答え:「否、しかし啓蒙の時代である。」
――二つの状態の区別…それぞれの立法形態のうちにある。
啓蒙された時代が歴史に登場するための前提条件
:「公共の安寧を保障できる、…軍」を保有し、討論の自由を通じた公衆の啓蒙
を奨励と制定する法律への服従を保証できる統治形態
→個人は「自由に思考しようとする心的傾向と使命感」を獲得する。
→獲得された使命感は統治の原則にすら影響を与える。
啓蒙された政体の特徴
:公衆の意思と立法意志の合理的な一致
→同一性:個人を目的自身として扱う認識を体現する、啓蒙された公衆の存在
を前提
…啓蒙された時代=政治的なものの領域が道徳法と一致する時代
■カントの小論の三つの疑問
・このような成熟と啓蒙の同一視には、いかなる主張が含まれているか?
・カントはなぜ、理性の公的使用は自由であるべきだが私的使用は自由でなくて
もよいとするか?
・カントは政治的領域と道徳的領域が一致する可能性をいかにして根拠ずけるの
か?