『支配の社会学1』84【家父長制的支配と家産制的支配(p.143-)の続き】


16 家産制と身分的名誉(p.281-)

身分自身の土地を持つということは、位階的地位の基盤としては、ますますそ
の意義を失っていく。
→貴族領の所有ではなく、自己および祖先承伝の官位が、社会的位階を創りだした。

荘園制的家産制
荘園領主と国家的官職が一定の仕方で結合するという結果 ×
・荘園制を基盤とする統一的な貴族身分の成立という結果 ×
⇒様々な結果をもたらすほどの意義を持っていなかった。
――このような基盤の上では、西欧中世のあらゆる貴族のもっている基本的な特質は
成立しなかった。
    全生活様式の人格的関係づけや、個々人に対する要求であるとともに・身分
成員全体を内面的に結集する紐帯である・共通の身分的名誉の観念
  →身分的習律は経済的利害関係やむき出しの社会的威信欲求を、外部から駆り立
てたに過ぎない。基本的・内面的な規準を与えるようなものではない。

ヘルに対する関係と自己の社会的名誉
――・内面的に無関係でばらばら
  ・専ら外面的な権勢欲に訴えるごとき「栄達」チャンス
一切の種類の専有されたプッリュンデ
――・官職の「品位」や名望家の「品位」の感情をはぐくむ基礎
  ・「名誉」を規準とする・ヘルに対する独自の人格的関係や、特殊な内面的生活
態度をはぐくむための基礎を提供するものではない。


ミニステリアーレンとジェントルマン】
西洋のミニステリアーレンの社会的名誉
――ヘルの恩恵によって与えられた。
イギリスのジェントルマンの社会的名誉
――自立的な名望家資格にもとづく。
⇒両者とも個人的「名誉」をその基礎としていた。
⇒両者とも西欧の騎士道によって条件づけられていた。
 ―騎士の生活態度…封建的名誉概念に規定
          ―二つのものによって規定された社会的名誉の類型をなす
・内面から発する態度決定
              ・ヘルとの関係のあり方