]『支配の社会学?』75【家父長制的支配と家産制的支配(p.143-)の続き】


中国文化の統一性
――本質的には、一つの身分階層の統一性であった。
  すなわち、官僚制的な古典文学的教養と、特有の貴人理想をもつ
儒教倫理の担い手たる階層
  →この身分倫理の功利的合理性には一つの限界があった。
   →伝統的・呪術的な宗教心とこれに関する儀礼書とを、身分的
習律の構成要素として承認しているのであり、この点に、そ
の功利的合理性は限界を持っていた。
    ―儒教は臣民の官吏および君主に対する服従関係を、子のピ
エテートという基本的徳性の上に基礎づけている。


中国における家産制のこのような発展を可能ならしめたもの
荘園領主層、したがって支配力をもつ地方的名望家層が存在しなか
ったという事情
万里の長城の完成以後、中国では世界帝国の治安が特に高度に保た
れたという事情