『支配の社会学Ⅰ』69【家父長制的支配と家産制的支配(p.143-)の続き】

ファラオの家産制的小作人と自由な政治的臣民との区別
ファラオの所有地と農民の私的所有地との区別
――この区別は明らかに本質的には技術的意味しかもたなく、不安定な意味しかもって
いなかった。
  →けだし、君主の家計の需要充足はラィトゥルギー的な傾向を強化していった。
  ―個々人は、
   ―財政負担上のその機能に永続的に拘束され、この機能を通じて地方行政区に縛
り付けられた。また、出生や土地所有や工業経営によって、地方行政区に所属
し、または割り付けられた。


職業の選択
――事実上は広汎に自由
  しかし
  君主の需要充足上必要な場合に、世襲的拘束の強制が加えられた。
本来的意味でのカストは存在しなかった。
政治的臣民も家産制的臣民も
――事実上は移転の自由を持っていた。
  しかし
  君主の家計の需要が、臣民が所属している場合において、臣民をその義務に動員する
ことを要求するような場合
  ―移転の自由は全く不安定なものであった。