『支配の社会学Ⅰ』68【家父長制的支配と家産制的支配(p.143-)の続き】


私的な大荘園領主制やノマンヘン支配制が異民族支配の後に消滅してしまってから後
          ―古代エジプトは全国が多くの州(ノモス)に分けられ、各州
に長官が置かれていた。その長官をノマンヘンという。
――特権層として大衆の上にたったのは、厖大な所領を寄進された神殿と、官吏とだ
けであった。
――残部は政治的臣民および家産制的臣民から成り立っていたが、政治的臣民と家産
制的臣民との明確な区別は存在しなかった。


臣民が賦役に駆り出されない場合
――官吏に対する租税納付は概算一括払いによって免除された。
  ―官吏は、鞭や類似の手段によって、貢租義務のある財産の申告を強制し、
  ―租税の徴収は、典型的に、義務者の逃亡とその追跡を伴うところの・官吏の側か
らの急襲という形をとっておこなわれた。