『支配の社会学Ⅰ』65【家父長制的支配と家産制的支配(p.143-)の続き】


10 家産制的支配の崩壊に対するその統一性の擁護



ヘル
――様々な方法で支配の統一性を確保しようとする。
  ―官吏の側からの官職の専有に対して
  ―官吏の手中に他の方法で君主から独立の支配権力が成立することに対して
  ⇒ヘルは統一性を擁護しようとする。
   ―ヘルは勢力領域をみずから巡幸することによって、この目的を達成しよ
うとする。
    …決定的なこと
     ―彼らが絶えず繰り返し親臨するということが、臣民に対して彼らの
権威を生き生きと保つゆえんであったという事情
      ―巡察使制度
ヘルの常時的に統制しえないような外部の部署につけた官吏への態度
――あらゆる手段をつくして、個人的保証を得ようとする。
  ―人質の提供
  ―定期的な宮廷訪問を強制すること
  ―官吏の息子を義務的に宮廷勤務に差し出させること
  ―自己の血族または姻族を要地に配置すること
  ―官職の任期を短くすること
  ―官吏が土地や一族郎党をもっているような管轄区域に彼を任命しないこと
  ―一定の重要な官職にはできるだけ独身者のみを利用すること
  ―官吏を計画的に監視すること
  ―同一の区域内に競合的な官職権力を設ける方法
  ―なかでも彼らの忠誠を確保するための普遍的な手段
   =社会的特権層の出ではなく、したがって自分自身の社会的勢力や名誉を
もたず、勢力や名誉を完全にヘルに負っているような官吏、できうれば
外人を利用すること