『支配の社会学Ⅰ』63【家父長制的支配と家産制的支配(p.143-)の続き】


官職の占有が進むに伴うヘル権力(政治的なヘル権力)の変化
――一方においては分解する。
  ―特別の特権によって個人的に専有された個々人の支配権の寄木細工という形に転化
   ―個々人の支配権
    ―極めて種種様々に確定されるが、一度確定されると、ヘルとしても官職利害関
係たちの危険な抵抗を受けることなしには、これを侵すことはできない。
     →これは、硬直した・新たな任務に適応しえない・抽象的な規制に堪えない構
成体
      …官僚制的構成体に見られるような、目的意識的・抽象的に秩序立てられた
ところの、必要とあればいつでも新たに規制し直されるような「権限」と
は特徴的な対照をなすもの。
――他方、官職専有が行われていない領域においては、ヘルの原理には完全に自由な恣意
が存在する。


全体としての政治的「家産制団体」
――ステロ化された型や恣意的な型により多く傾いている。
  ―ステロ化された型:西洋に多い
  ―恣意的な型:オリエントに多い
   …権力はたえず新たな征服者によって簒奪されたが、この権力が神政的・家産軍事
的基礎にもとづいていたということが、分権化と専有化との過程を阻止した。
家産制的政治構成体
――「権限」の概念も知られていないし、今日の意味での「官庁」の概念もない。
――官吏の職務上の仕事と私的な仕事の区別、職務上の財産や支配権能と私的なそれとの
区別
  →プレベンデ化と専有とが進むにつれて消滅する。