『支配の社会学Ⅰ』54【家父長制的支配と家産制的支配(p.143-)の続き】


この権限
――差し当たり全く流動的
  ―他の官吏に対する限界づけが全くあいまいであることも非常に多い。
   ←家産制的官吏の場合に限ったことではない。
  ―競合的なヘル権力
   ―差当りはステロ化された限界づけを、かくして「明確な権限」に似
たようなものを作り出すにすぎない。
⇒これは家産制的官吏の場合には官職を官吏の個人的権利として扱うことの
結果
 ―官僚制的国家における没主観的利害関心の結果ではない。

この「権限」類似の・官職権力の明確な限界づけを作り出すもの
――種種の官吏の競合的な経済的利害関係である。
――ヘルや官吏は彼らが職務行為を行うつど、その行為に対して〔役得の〕支
払いを要求する。
  ―役得源の分配
   →職務権能が次第に明確に確定されてゆく原動力になる。