『支配の社会学Ⅰ』11(官僚の地位(p.63-)の続き)
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公的なまたはそれに近い官僚制的組織においては地位の終身制がある。
私的経営においても事実上の終身制がある。
――これは過去の多数の支配形態におけるとは異なって、官職に対する
官僚の「保有権」とみなされてはいない。恣意的な罷免、転任に対
して職務を厳密に没主観的に遂行するという保障を与えるもの。
→法的保障によって与えられる「独立性」
――保障を受けた官吏の習律的評価を高める源泉にはならない。
官職要求権
――老後の物質的保障と並んで恣意的な罷免に対する保障をも高めるよ
うな「官吏法」
→限界がある。
――技術的合目性を顧慮して官職叙任や、勤勉な候補者の昇進のチャ
ンスが難しくなるから。
――社会的下位にある被支配者に依存するよりも、同等のものに依存
しようとする傾向が、官僚たちが全体として「上への」従属をそ
れほど苦にしない、という結果をもたらす。
4
保障
官僚は普通は固定的な俸給の形をとる貨幣報酬と、年金による老後の保
障とを受ける。
俸給
――仕事量ではなく、勤務の種類(「位階」)と勤続年数に応じて測
定
官職の給養の安定と社会的評価の形での報酬
→植民地的営利チャンスをもたない諸国には官職就任希望を増加させ
る。
→官僚の俸給を多くの場合比較的低く算定
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昇進
官僚は、官庁の階層制的秩序に対応して重要性が少なく給料の安い下の
地位から上の地位への「昇進(ラウフバーン)」を目指している。
昇進の諸条件をできる限り機械的に固定しようと努める。
――このような発展は官僚の官職要求権の強化・職業身分的発展の増大・
官僚の経済的地位の安定化の傾向と相まって、官職を教育免状をもつ
有資格者たちのプッリュンデとして扱うという方向に進んでいく。
プッリュンデ(同じ箇所にプレベンデ制、レーエンも有り)
家産制的しもべは、彼の生計の資を次のような仕方で受取る。
(a)ヘルの食卓における給養によって、(b)ヘルの財産および
貨幣の貯蔵からの(主として実物での)給与によって、(c)家人
保有地によって(d)レンテ収入・手数料収入または租税収入の専
有されたチャンスによって(e)レーエンによって。
(b)から(d)までの扶養形式は、それらが、量((b)および
(c))または区域((d))の点で伝統的に定まった規模で、たえ
ず新たに譲与され、個人的には専有されているが、しかし世襲的に
は専有されていない場合、われわれは、これを『プッリュンデ』と
呼ぼう。(p.58)
――専門教育免状ではなく人格的・精神的資質を考慮するという必要性は
最高の政治的官職(大臣など)が原則として教育免状とは無関係に任命が行われるという結果をもたらす。