『支配の社会学1』その4(合法的支配(p.33-))

第2節 正当的支配の3つの純粋型
 支配の正当性、正当性の根拠(p.32-)


支配を支えるもの

支配は、支配者と被支配者とにおいて、権利根拠(レヒツグリユン
デ)、つまり支配の「正統性」の根拠によって、内面的に支えられ
るのが常
であり、この正当性の信念を動揺させるときは、重大な結
果が生ずるのが常である。(p.32)


1 合法的支配(p.33-)


制定規則による合法的支配の最も純粋な型=官僚制的支配
根本概念

形式的に正しい手続きで定められた制定規則によって、任意の法を
創造し、変更しうる、というのにある。(p.33)

個人=個人の固有の権利のゆえに、服従させられるのではなく、制
定された規則に対して服従がおこなわれ、この規則が、服従の対象
と範囲を決定する。
命令者自身=一つの規則(「法律」、「行政規則」、形式的に抽象
的な規範)に服従している。
官僚の行う行政

没主観的(ザッハリッヒ)な官職義務にもとづく職業労働であり、
この行政の理想は、「怒りも興奮もなく」、個人的動機や感情的影
響の作用を受けることなく、恣意や計算不可能性を排除して、なか
んずく「人による差別をすることなく」、厳に形式主義的に、合理
的規則にしたがって、−あるいはこれが不可能なときは−「没主観
的」な合目的性の見地にしたがって、処置をするということである。
(p.34)


1
国家や公共団体の近代的構造のみが、「合法的」支配の型ではない。
私的・資本主義的経営内における支配関係も、階層的に組織された多
数の管理幹部をもつあらゆる目的団体や社団‐その種類のいかんを問
わない‐この内部における支配関係も、同じく合法的支配の型に入る。
近代的政治団体=単に顕著な例であるだけ
資本主義的経営のもつ支配の性格
社会学的に見て支配なる経済的基礎を考察すれば近代国家の支配と
同質性をもっている。


2
官僚制=合法的支配の、技術的にみて最も純粋な型
しかしながら、いかなる支配も、専ら官僚制的に、すなわち、契約に
よって雇われ、任命される官吏だけによって、運営されるわけではない。 
決定的なこと

継続的な仕事が、主として、また次第に多く、官僚制的な力によっておこ
なわれる、ということである
。(p.35)

近代国家の全発展史=近代的な官吏制度と官僚制的経営との歴史に帰着
近代的高度資本主義の全発展史=経済経営の官僚制化の進展と一致
→官僚制的支配形態の役割はいたるところで増加


3
官僚制は合法的支配の唯一の型ではない。
輪番制、抽籤制、選挙制の官吏制度議会や委員会の行政などがある。