市野川容孝「思考のフロンティア:社会」岩波書店

社会 (思考のフロンティア)

社会 (思考のフロンティア)

【目次】
1 社会的なものの現在
(日本の戦後政治と社会的なもの;冷戦以後と社会的なもの;社会学と社会的なもの;社会民主主義)
2 社会的なものの系譜とその批判
(ルソー;社会科学の誕生;批判と展望)
3 基本文献案内

このシリーズでは規格外の幅ですね。



「社会的なるもの」とは何かを問う。

第1章は政治史的要素強しで

第2章のルソーとかにやっぱり関心がいきますね〜。

「不平等論」と「社会契約論」との社会

前者においては社会とは不平等+不自由であり

後者においては社会とは平等+自由である。

でもこの2つの自由は実は同じである。(pp.119-121)

ここで関わってくるのが自尊心、所有権と羨望、嫉妬であるとかとか。

あとは、議会制を超える議会制*1によって支えられる民主主義が

必要で、それらの過程が社会的なものを鍛え上げていく(p.88)とか。

*1:議会の外から様々な力を備給されるもの