U・ベック(木前利秋、中村健吾訳)『グローバル化の社会学』国文社

グローバル化の社会学―グローバリズムの誤謬 グローバル化への応答

グローバル化の社会学―グローバリズムの誤謬 グローバル化への応答

【目次】
第1部 序文(仮想の納税者
世界経済と個人化のあいだで国民国家は主権を失う―どうすればいいのか
グローバル化の衝撃―遅まきの議論)
第2部 グローバル化の意味するものはなにか―次元、論争、定義(世界地平の幕開け―グローバル化社会学のために
トランスナショナル市民社会コスモポリタンなまなざしはいかにして成り立つのか
世界社会の輪郭―せめぎあうパースペクティブ)
第3部 グローバリズムのさまざまな誤謬
第4部 グローバル化への応答(グローバル化への応答としてのヨーロッパ
展望―没落のアラカルト ヨーロッパのブラジル化)



グローバル化がこのまま今の形のままで進むとこのようになるということを描く書籍。

グローバル化の進展のために国家の影響力は低下してきていると著者はいう。

なぜならば、多国籍企業が国家の力の源泉である税源(税の徴収)を奪ってきているからなのである。

多国籍企業はその国家の税が上がれば他の国家に逃げることができるのである。

そのために、国家は財源の低下のために様々な政策を減らしていかなくてはならなくなっていっている。

そして、その責任(しわよせ)は個人にも降りかかってくるのである。

著者は第4部でグローバル化の応答というこれからの指針をしめしている。

それは、国家による規制、個人化によるあらたな市場の形成などである。

ブラジル化(p302)だけはご勘弁いただきたいものである。