M・ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』岩波文庫

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)


【目次】
第1章 問題
信仰と社会層分化
資本主義の「精神」
ルッターの天職観念―研究の課題
第2章 禁欲的プロテスタンティズムの天職倫理
世俗内的禁欲の宗教的諸基盤
禁欲と資本主義精神



なぜ、西洋において近代資本主義が成立したのかをプロテスタンティズムの倫理に関連させ


説明していく。


まず、近代資本主義成立には宗教改革が大きく影響を与えた。


それは、ルターでありカルバンであった。


しかしながら、ルターは宗教内改革にとどまり、カルバンは世俗にまで影響を及ぼした。


その分だけカルバンの方が強く関係性があるのである。


プロテスタントの倫理のなかでも特に取り上げられているのが


天職倫理と予定説であり、またこれらが影響を及ぼしたのである。


近代以前にも資本主義はあった(冒険的資本主義)としているがM・ヴェーバー


明確にそれを近代資本主義とは区別している。


後半部は特にピューリタンプロテスタントの一派)を取り上げ


彼らが予定説に従い禁欲的労働、合理化を行ったことで資本が蓄積、形成され


近代資本主義(「鉄の檻」)が成立することととなったのである。


しかしながら、宗教的倫理によって作られた近代資本主義は最終的には宗教的倫理を


必要としなくなった。なぜならば、資本主義の社会機構が世俗内的禁欲でその構成員を


強制するようになったからである。倫理は金儲けになったのである。


当初の「資本主義の精神」は忘れ去られてしまったのである。


鉄の檻の中にはもはや禁欲の精神は存在しないのである。


そして、「末人」に人間は達するだろうとしている。