佐伯啓思「人間は進歩してきたのか」PHP新書


【目次】
第1章 文明の捉え方―進歩の思想と文明の衝突
第2章 「確かなもの」の探求―西欧近代の成立
第3章 「近代国家」とは何か―ホッブズの発見
第4章 「人民主権」の真の意味―ホッブズからルソーへ
第5章 フランス革命アメリカ独立革命―異質な近代革命
第6章 個人主義の起源―マックス・ウェーバーと西欧近代
第7章 不安な個人の誕生―合理主義の行方
第8章 西欧進歩主義の壁―ニヒリズムの時代へ




近代西洋思想を読みときながら


国家、自由、市民、個人などの諸概念がどのようにして誕生してきたのか


また、そこにはどのような問題点があるのかを明らかにしていく。


著者は最終的にヴェーバーフーコーニーチェなどの議論を使い


西欧近代をもとにした現代は


ニヒリズムシニシズム、ヘドニズム、ファナティシズム、サイエンティズムを含む)に深く侵されてしまっているとしている。


著者はこのような状態に現代文明が置かれていることを認識した上で


今度、どのような戦略をとっていったらよいかを考える必要があるとしている。


どの章もその思想の解説から入って著者の主張をするという構成なので


近代西洋思想の解説書としても使える。