げんしょー学

現象学 (岩波新書 青版 C-11)

現象学 (岩波新書 青版 C-11)



序章と終章だけ読む。


現象学とはなんじゃらほい、

フッサール現象学の狙いは…経験的実現を離れた永遠の真理の領域ないしア・プリオリな普遍的論理や価値を認め、それによって存在やわれわれの思考の真理性を保証させようとする論理主義と、それへの犯行として登場し、われわれの存在や思考の事実的・偶然的諸条件をそのまま認めながら、しかもその経験の水準において知識のもちうる合理的確実性というものを基礎付けようということだったのである。(p.182)

事実の論理的な秩序は、それに外から押し付けられる形式からくるのではなく、事実の内容そのものが、思考可能なようにひとりでに組織化されるのであるが、その論理を解読するのが現象学なのである。(p.182)

現象学とは、世界の中、歴史の中でわれわれの経験に問いかけ、その意味を解読しようとする果てしない努力である。言いかえれば、われわれは、さまざまな経験がわれわれのもとで接合するのをたえず目撃しているわけであるが、その全体的経験の文脈のなかで個々の経験が何を言おうとしているのか、何を意味しようとしているのかを、不断に問い続けようということである。
(p.200)