村松岐夫「日本の行政」中公新書

日本の行政―活動型官僚制の変貌 (中公新書)

日本の行政―活動型官僚制の変貌 (中公新書)

【目次】
第1章 最大動員のシステム(日本行政の沿革中央行政システム)
第2章 公務員制度と人事行政(高級官僚集団の管理省庁人事管理)
第3章 最大動員の行政管理(予算編成―機能の連結決定構造と調整組織設計と組織管理省庁内の最大動員)
第4章 トップと官僚(弱体な日本のトップ・ストラクチュア日米トップの比較)
第5章 行政活動の変容(戦後行政活動の原型行政の変容国際化のインパクト)
第6章 中央地方関係(第一型自治中央地方関係における均衡状態第二型自治の提案)
第7章 政治的環境の変化と行政(行政官僚制と政党官僚の自律性の困難行政と利益集団)
第8章 行政変革の推進(トップの強化と戦略部門の設置政策評価基準の変更と監査制度)
第9章 市民


授業の関係上読書。

う〜ん、自分には行政学は難しいな〜。




最大動員システム*1と官庁セクショナリズムをキーワードに論を進めていく。*2

セクショナリズムは欧米の政策に追いつくという野心的国家目標をもった日本が、

少ないリソースでそれを実現しようとする最大動員がもたらした逆機能現象であるとする。

省庁中心システムは、少ないリソースを最大動員する仕組みの要をなしていた。

ところが、この仕組みに問題が生じセクショナリズムが発生した。

「追いつき型近代化のエトス」は達成され、活動型官僚制は維持できなくなった。

現代は、政党(政権党)と、(法技術その他の)技術の名で行動する官僚制とが微妙に協力し

対立する時代になりセクショナリズム*3も問題として取り上げられることが多くなってきたとする。

そこでは、トップ・ストラクチュアが必要であるとともに議会と政党の復権*4が重要であるとする。

*1:行政に利用できるリソースに関してできるだけ能率的に使用すること

*2:行政の定義:国家主権に基づく中央政府と地方政府による統治行為の一部としての官僚制の集団作業

*3:また、セクショナリズムは人事や予算編成の手続きのなかに制度化されている

*4:市民的共和主義、国民とその代表を「本人」とし、官僚を「代理人」とする位置づけを明確に持った手続きの確立p241