伊ソ谷登士翁「グローバリゼーションとは何か」平凡社新書

新書150グローバリゼーションとは何か (平凡社新書)

新書150グローバリゼーションとは何か (平凡社新書)

【目次】
はじめに(時代を切り取るキーワード二〇世紀という時代 ほか)
第1章 グローバリゼーションの課題は何か(用語としてのグローバリゼーション
「インターナショナル」から「グローバル」へ ほか)
第2章 時代としてのグローバリゼーション―空間と時間(グローバリゼーションのタイムスパン
グローバル―近代のメダルの表と裏 ほか)
第3章 グローバリゼーションをマッピングする(グローバリゼーションの場と対抗
グローバリゼーションを具体化する「場」 ほか)
第4章 グローバル資本の世界経済秩序―資本のフレキシビリティの回復(転換期としての一九六〇年代
多国籍企業の台頭 ほか)
第5章 グローバル化の脱統合と再統合(排除による新しい貧困
グローバル化によるローカルな空間の崩壊 ほか)


グローバリゼーションの入門書。

グローバリゼーションは

近代世界を特徴づけてきた均質化と差異化の過程が、これまでの国民国家

いう一元的な境界を越えて浸透し、国民国家という領域性が崩壊あるいは

変形しつつある状況と定義できる。(p107)

そして、現代においては通信やコンピューター技術の広範な影響が文化

だけでなく、政治や経済など多面的な事象として現れてきている。

そこでのグローバル商品は、

人々の日常生活における交流が失われ、政治への不信感が増大するなかで

人々のアイデンティティの真空状態を埋め虚像としての共通空間を

創り出すのである。しかし、それは公共圏ではないのである。(p112)

そこでナショナルとグローバルは対立せず、相補的であり、

グローバルを通してナショナルが形成され、ナショナルを通して

グローバルが実現されていくのである。



キーワードとしては多国籍企業、国際官僚、貧困の断絶、移民などが

取り上げられている。

全体としてはグローバリゼーション=移動の多面化、高速化などか?

しかし、もっと明るい面もあるのではとも思った。

他も参照しないとわかりませんね。