山之内靖「マックス・ウェーバー入門」岩波新書


マックス・ヴェーバー入門 (岩波新書)

マックス・ヴェーバー入門 (岩波新書)


[目次]

プロローグ―近代知の限界点に立って
第1章 神なき時代の社会科学
第2章 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』再訪―悲劇の精神
第3章 精神の病―死と再生のドラマ
第4章 古代史再発見―回帰する時間の社会学
終章 受苦者の連帯に向けて



序盤でウェーバーの「価値自由*1」や方法論を説明し、その後具体的研究について言及していく。

主に、宗教社会学での業績について書いてあり、「プロ倫」の説明にさらに多くのページが割かれている。

ウェーバー

合理化による苦難の普遍化(p230)という近代の「呪われた運命」という問題を残した。

著者は受苦者の連帯を唱えているがこの問題は今後も社会科学を扱うものたちの「頭を狂わせる」問題として

続いていくであろう。

*1: 〜社会科学のいかなる命題も、根本的には何らかの価値判断を前提とせざるを得ないということ、そしてこの点をはっきり自覚している必要があるということ(p3)。その研究がいかなる価値判断を前提とするものであるかについて明らかにしておく必要があるということ(p3‐4)〜