戸部良一「日本の近代-逆説の軍隊-」、中央公論社

日本の近代 9 逆説の軍隊

日本の近代 9 逆説の軍隊



【目次】
プロローグ 解体
1 誕生
2 成長
3 爛熟
4 変容
エピローグ 自壊




明治から敗戦までに日本の軍隊がたどってきた道筋を描いている。

当初、政治の圏外に置かれた軍隊(天皇に忠誠を誓うものとして軍隊が存在するので、天皇

に任命された政府の命令にも従う、P68)は

明治期の社会的風潮(P184〜)やデモクラシー(P199〜)、

大正政変以来の軍閥批判(P234)、好景気に挑戦をうけ社会的地位を落としていく。

しかし、昭和期に入ると未成熟な政党政治や昭和恐慌により(P250)

政党政治を基盤とした政権は支配の正統性を失いつつあった。

そこに、軍隊が政治的圧力団体として政府に影響力を及ぼし始めた。

このような、現象がおこる要因としては大正期までの軍隊に対する抑圧が一因としてある

としている。(P246)

そして、政治勢力となった軍隊は<反近代の権化>となり

かの大戦に導き、敗戦と共に無くなったのである。

軍隊における教育も扱っている。