玄田有史、小杉礼子他「子どもがニートになったなら」、生活人新書

子どもがニートになったなら (生活人新書)

子どもがニートになったなら (生活人新書)

【目次】
第1章 子どもがニートになったなら(玄田有史)(まずは子どもの事情を知ろう
一方的に子どもを責めるのはやめよう ほか)
第2章 だれがニートなのか(小杉礼子)(イギリスのニートと日本のニート
ニートとフリーター ほか)
第3章 対談・家族よ、社会よ!(宮本みち子×小杉礼子―過干渉、過保護だけど、関係性は希薄
江川紹子×玄田有史―若者の「夢」と「やりたいこと」 ほか)
第4章 インタビュー・支援の現場から(工藤啓(NPO「育て上げ」ネット理事長)
井村良英(A′ワーク創造館事業部「体験!これから学級」講師) ほか)
第5章 もっと大人のお節介を―対談・玄田有史×小杉礼子(伝えるべきものを意識化できるか
自己実現と現実のバランス ほか)




ニート問題に対して一家言持っている5人と

ニート支援をしている人5人との対談本。

対談本なので一個の理論などはでてこないが

色々な方向性から考えを得るという意味ではよいのではないだろうか。

1つの共通認識としては

基本的に大人の問題だという認識であり、次の世代を育てるということ、

あるいは自立していくべき存在としての子ども、というものを対象化できないでいる

大人の問題である(P230)

があげられている。

また、支援者側の難しい点としてはモチベーションの維持の難しさ

子どもが働かない状態から働くようになったとしてもそれは当たり前のことであり

マイナスをゼロに戻しても全く感謝されず、

支援の場に感謝ややりがいを求めたい人々にとってはちょっとつらい現場になるかもしれな

いということが書かれている。(P172〜P173)