見田宗介『現代の青年像』講談社現代新書

現代の青年像 (1968年) (講談社現代新書)

現代の青年像 (1968年) (講談社現代新書)



資料。

1970年代の青年意識を概観。

あの頃はこーだったのですね〜。


■天下国家を論ずる青年

・・・人類や国家、あるいは社会を、自分や家族以上に大切だと考える少数の人々について検討しよう。例え
ば「国家」の2.4%、「人類」の4.3%という数字はきわめて低率であるが、これを現実数になおしてみれば、120
万ほどの青年が「国家」に、また215万まどの青壮年が「人類」に、最高の価値を見出していることであり、こ
れらの人々が結集すれば、それぞれ一大勢力となるにちがいない。まず「人類」全体に価値の重心をおく層は、
大学生にとびぬけて多く、そのなかでも男子の学生に多い(大学生の17.8%、男子学生だけをとれば22.4%にのぼ
る)。大学生以外で比較的多いのは、公務員と専門・自由業者であるが、いずれも9%前後であって、かなりの差
がある。「国家」というのもやはり男子の大学生に多い(8.2%)。しかし「人類」の22.4%とくらべると、はるか
に少ない。「国家」と「人類」をあわせると、男子の大学生3人に1人までという割合になり、他の一般国民の圧
倒的な私生活主義といちじるしい対照を示している。このことは、たとえば現在の学生運動を論するさいにも、
一応はふまえておかねばならない前提であろう。
(pp.73-74)


■青年層(20歳代)-社会主義
54.5%が社会主義的な経済体制に対する希望が強い。
最低限の生活は確実に保障されているような社会を欲している。
しかし、学生は勤労青年よりも「社会主義的」な理想は少ない。
(p.167-)