上野成利『思考のフロンティア:暴力』岩波書店
- 作者: 上野成利
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/03/23
- メディア: 単行本
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【目次】 1 暴力の政治学―戦争と政治をめぐる思考(生の政治と死の政治―近代国民国家と暴力 限定戦争と絶対戦争―主権国家体系と暴力、脱領域化と再領域化―グローバル化と暴力) 2 暴力の弁証法―暴力の臨界をめぐる思考(法の支配と法の暴力―秩序と暴力の弁証法 自己保存と自己融解―理性と暴力の弁証法、敵対関係と闘技関係―友愛と敵対の弁証法) 3 基本文献案内
とうとう発表会の組み分けが発表されちまったー。やばすやばす。
読んでる場合ではないが読んでしまったー。
アーレント、シュミット、ベンヤミン、ホルクハイマー、アドルノなどを主眼に置きながら進む。
力(暴力)を形づくる不可欠な要素には2つある。ヴァイオレンスとゲヴァルトである。
統御不可能な力としてのヴァイオレンスと支配し統御する力としてのゲヴァルトである。
秩序(特にホッブス)とはヴァイオレンスがゲヴァルトに回収されていくものである。
境界性というものを設定せざるをえない生活において暴力と言う問題は逃げがたいものになっている。
国家という境界線を設けることが自明となっている以上、国家ができるまで国民が設定できない以上、
その正統性を究極的に保証するものは存在しない。憲法であれそうである。そこには「法措定」という暴力が
あらわれてくるのである。
寛容、歓待、ミメーシス・・・・・。